Director: Lenny Abrahamson
Writer:Emma Donoghue (screenplay and based on the novel by)
Stars: Brie Larson, Jacob Tremblay, Joan Allen, William H. Macy, Tom McCamus
2015/Ireland = Canada
★★★★☆
2015/Ireland = Canada
★★★★☆
エマ・ドナヒューの小説『部屋』の映画化。原作者本人が脚本を書いています。
すごーくいい映画だったのだけど、先に原作を読んじゃってたのが悔やまれます。
なんだか、原作ほどガツーーンと来なくて。。。
ジャックは5歳。マー(お母さん)と一緒に小さな部屋で暮らしている。
一緒にケーキを焼いたり、歌を歌ったり。2人で楽しく暮らしているのだけど、実はマーはオールド・ニック(と彼らが呼んでいる男)に7年前に誘拐され、以来監禁されているのだ。
脱出を決意したマーは、ある計画を思いついて。。。
と、ここからは相当なネタバレになりますので、ご注意あれ。
この映画は監禁されている親子の手に汗握る脱出劇、ではなくて、むしろ脱出した後の方が大変なんだよ、というお話でした(脱出シーンでは手に汗握りましたが)。
必死の思いで脱出したっていうのに、マーの両親は離婚してるは、世間からは好奇の目で見られるは。。。今まで「部屋」と「マー」が世界のすべてだったジャックは、突然現れた明るくて賑やかな世界に混乱します。で、「部屋に帰ろう」っていうんですねー。マーにとっては、ただただおぞましい場所でもジャックにとっては故郷なんですよね。
でも、そんなジャックが少しずつ周りの人たちに支えられて新しい世界を発見して、そこに馴染んでいくわけです。生まれてから一度も切ったことがないと思われる髪を切ってくれたおばあちゃんに「I love you」というシーン、この映画のハイライトだと思います(書いているだけで、思い出し涙が)。
このジャックを演じたジェイコブ・トレンブレイの演技の素晴らしいこと!
特にすごいなー、と思ったのは、ジャックの仕草がどことなく女の子っぽいんですね。髪の毛も腰まであって。なんだろう、と思ってたんですけど、生まれてから母親としか接してないから仕草が母親みたいになっちゃうのかー、と。
原作はジャックの一人称で語られていたんですけど、映画では彼の子供としての視点がうまいこと映像化されていましたねー。
一方、マーは周囲の人たちとの溝を埋められなくてどんどん孤独になっちゃう。
父親がレイプで生まれたジャックをまともに見ることができなくて傷付くマー(父親の気持ちもわかるけど)。
とどめにテレビのインタビューで、「ジャックを手元に置いていたのは自分勝手だったのでは?」というようなことを言われて糸がプツンと切れちゃう。
自分で選んで監禁されてたわけじゃないのに、「部屋」で必死にジャックを守って生きてきたのに。
そんなマーをジャックが救うんですねー。
「悪いお母さんでごめんね」
という彼女に
「でもマーはマーだよ」
と言って(うぅ、また思い出し涙が)。
わたしも飛んで行って、「こんないい子にジャックを育て上げて、あなた、立派だよ!」と肩を抱いてあげたくなりました。
マーを演じたブリー・ラーソンの演技も良かった!オスカー、激しく納得。
特に、母親の顔と自分の両親の前での娘の顔が違っていて、そうだよね、まだ10代だったときから監禁されてたんだもんね、と。
この映画の映像を胸にもう一回原作を読んでみようかしらん。
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