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10 October 2017

Ninagawa Company Macbeth | NINAGAWA・マクベス

Writer: William Shakespeare
Stars: ICHIMURA Masachika, TANAKA Yuko, TSUJI Kazunaga, OISHI Keita, SAGAWA Tetsuro
 Director: NINAGAWA Yukio
★★★★☆

1985 年に初めて英国の地を踏んだ蜷川幸雄演出作品『NINAGAWA・マクベス』。この度、蜷川氏の一周忌追悼公演として再び英国に帰って来ました。
 
この作品、通称「仏壇マクベス」 と呼ばれているそうで、2 人の腰の曲がった老婆がそれこそ仏壇の扉のようなものを開くところで芝居の幕が開きます。このおばあちゃんたち、原作にはないそうですが、舞台の両端に座ってずーーーーっと事の成り行きを見てるんですねぇ。お弁当食べたり、写経したりしながら。貧しい農婦といったいでたちで、高貴な登場人物たちとワタクシたち庶民を繋ぐ役どころだったのでしょうか…。

そして幕開けの最初のシーンでいきなり度肝を抜かれました!
空を稲妻が走り桜吹雪が舞い散る中、3 人の魔女たちが怪しげな踊りを繰り広げていて…衝撃的な美しさ、でありました。

蜷川氏のお芝居は毎回舞台美術も楽しみなのですが、今回は群を抜いておりましたねぇ。終演後にプログラムを見たら、「Set Designer Kappa Senoh」とあるではないですか!妹尾河童氏の仕事だったんですねぇ。そりゃあ、細部にまで神経が行き届いてるわけだ。 

今回、初マクベスだったのですが、マクベス夫人の悪女っぷりに感服いたしました。夫の出世を自らの野心にしちゃって、その実現のために夫をなだめすかしたり、脅したりしながら操るわけですよ。田中裕子さんのマクベス夫人は凄味がありながら、でも夫のことを愛しているのだな、というのが伝わってきました。
だけど、そんなマクベス夫人が第二幕では急に罪悪感に苛まれたのか夢遊病になっちゃって、挙句の果てには狂死、ってのは何だか納得がいかないわぁ。悪を全うして欲しかった(笑)
市川正親さんのマクベスは隠し切れない人の好さが滲み出てましたねぇ。

1 つだけ難を付けると、全編をとおして 3 曲くらいの同じ音楽が繰り返し使われていて、特にここぞというときにバーバーの「弦楽のためのアダージョ」が大音響で流れるのが、感動しろ~、と強要されているようで何だかなぁ、でありました。

カーテンコールでは舞台に蜷川氏の写真が飾られていて、市川正親さんが蜷川氏に向かってガッツボーズしちゃったりして。今さらながら、亡くなった、ということが実感として胸に迫って来て思わず涙してしまったのでした。

25 December 2016

No Man's Land | 誰もいない国

Writer: Harold Pinter
Stars: Ian McKellen, Patrick Atewart, Owen Teale, Damien Molony
 Director: Sean Mathias
★★★★★

日本で暮らしていた頃大好きだったテレビ番組に『スジナシ』というのがありまして。
笑福亭鶴瓶とゲストの俳優が即興でお芝居をする、という番組なのですが、あるのはセットだけ。台本も打ち合わせもなく、ぶっつけ本番で演じなければならないのです。
お互い相手の出方を伺いつつ何とか辻褄を合わせようとするうちに、話がどんどんシュールな方向に行ってしまって。。。というのが楽しくて、毎週欠かさず観ていたのでした。

先日、ピンター作の『誰もいない国』を観に行って、この『スジナシ』のことを思い出したんですねー。
舞台はハムステッドのとある屋敷の一室。そこで、イアン・マッケラン演じるスプーナーとパトリック・スチュワート演じるハーストの会話が始まるのですが、 観客には二人の関係がまったく見えない。二人は知り合い?それとも??会話の内容もあっちへ飛びこっちへ飛びで、あたかも限られた条件の中で即興芝居をしているような。そこへフォスターとブリッグスという、これまた「あなた達、誰?」なキャラクターがやって来て、話が余計ややこしくなって行きます。

第一幕はスプーナーとハーストの腹の探り合い、という感じで、第二幕は「どちらが相手により精神的ダメージを与えることができるか」というマウント合戦の様相を呈しておりました。学生時代の憧れの女性と実は僕、付き合ってたんだよね~、とか言ったりして。

友人は「ハーストが認知症を患っていて、スプーナーがそれに合わせてるんじゃないか」と言っておりました。その解釈ありかも、と思ったのですが、スプーナーの胡散臭さ(スーツに汚れたテニスシューズ合わせてたり、人がいなくなると部屋中嗅ぎまわったり)を考えると、そういうハートウォーミング路線はなしかな、とも思ったり。

場面転換なしで、登場人物がひたすら喋りまくるこのお芝居、おそらくワタクシが理解できたのは6割ほど。時に、周りの人は笑ってるのに自分は置いてけぼり状態に陥りつつも、最後まで集中力が切れることはありませんでした。名優2人の競演を見られて大満足♪

4 December 2016

Giselle/English National Ballet | ジゼル/イングリッシュ・ナショナル・バレエ

Direction & Choreography: Akram Khan
Visual and Costume Design: Tim Yip
Music, after the original score by Adolphe Adam: Vincenzo Lamagna
Lighting Design: Mark Henderson
Dancers: Madison Keesler, Aitor Arrieta, Ken Saruhashi, Isabelle Brouwers
★★★☆☆

少し前の話ですが。
アクラム・カーン振付の『ジゼル』を観に行ってきました。
クラシック・バレエはほとんど観ない、ワタクシ。事前に粗筋をチェックして、YouTube でボリショイ・バレエの『ジゼル』を観て予習。
それにしても『ジゼル』ってロマンチックな感じだけど、これまでのカーン氏の作風と合わないような、と思っていたら、ストーリーが大幅に変更されておりました。

ジゼルは、縫製工場で働く移民労働者、になっておりまして。工場の閉鎖によって、職を失った労働者たちは巨大な壁によって閉じ込められてしまいます。ジゼルに恋するヒラリオンは、彼女の恋人アルブレヒトが実は工場の経営側の令嬢と婚約していることを暴露。ジゼルは狂死します。ここまでが第一幕で第二幕では、亡くなった工場労働者の亡霊(ウィリ)たちがミルタに率いられて、ヒラリオンやアルブレヒトに復讐を果たそうとします。。。この物語の背景には、バングラデッシュで頻発する縫製工場の倒壊や火災があるのでしょうね。

という訳で、すっかり土臭くなったジゼル、カーン氏の振付がピタリとはまっておりました。特に労働者やウィリの群舞は、鬱屈したパワーのようなものが感じられて鳥肌が立ちました。
音楽も、オリジナルの音楽を基にしているそうですが、打楽器を多用したカタックのような音楽になっていて、個人的には、むしろこっち音楽の方が好き。

舞台中央の巨大な壁が、さまざまな分断を象徴していて効果的でしたねぇ。
あと、衣装も良かった。労働者たちのミニマルな衣装とブルジョア階級の人々のやり過ぎ感満載の華美な衣装の対比が際立っていて。

ただ、これはワタクシがクラシック・バレエを見慣れていないからだと思うのですが、ところどころで展開が遅いように感じられたんですよね~。とは言え、機会があればもう1回観てみたい!

13 September 2016

Edinburgh Festival Fringe 2016 (2) | エディンバラ・フェスティバル・フリンジ 2016 その2

さて。フリンジで観たもの、の続きです。

Bucket List/Theatre Ad Infinitum ★★★☆☆

毎回エディンバラで新作をお披露目しているTheatre Ad Infinitum。
数年前に彼らの「Translunar Paradise」を見て以来、毎作ロンドンでチェックしてきました。
この劇団、作品ごとにテーマもスタイルもガラリと変わるので、今回は何を見せてくれるのかワクワクしながら劇場へ。

今回のテーマはメキシコで搾取される労働者たち。
舞台はメキシコのとある村。アメリカ政府、メキシコ政府、そしてアメリカの大企業と地元の有力者の癒着によって、環境や労働条件に対する規制がないまま、地域は汚染され、劣悪な労働環境は改善されず。。。抗議デモに出かけた母親が殺された主人公の少女は、復讐のため関係者を1人ずつ殺していきます。

という重たい話が、身体的な演出と生演奏の音楽でエンターテイメントに仕上げられていました。
ただ、復讐のために殺人を犯す、というのが、ここで疑問を投げかけているんだろうとは思いつつ、受け入れられなくて、お芝居に今一つ入り込めませんでしたねぇ。

Yuri/August 012 ★★☆☆☆ 

高架下の穴倉のような劇場で観たお芝居。
主人公は子供を切望しているウェールズ在住の夫婦。
ある日、スーパーで出会った少年を家に連れ帰った妻は、彼を「ユーリ」と名付けて自分たちの子供として育てようと言い出します。。。

観客の巻き込み方とか面白かったのですが、全体的にまとまりのない感じ。
なにより少年ユーリが知的障害者のようで、その行動を笑う、という感じになっているのが居心地悪かった。。。

 Life According to Saki/Atticist ★★★

20世紀初頭に活躍した実在の作家サキの人生と彼の創作を描いたお芝居。
第一次大戦の塹壕を舞台に、次々とショート・ストーリが語られていきます。
仮面や人形なんかが使われているんだけど、大半は観客の想像力で補うようになっていたのが良かったですねぇ。なんだか本を読んでいるような感じで。
人形を文楽のように3人で動かしていて、ちょっとビックリしました。
フリンジにしては大掛かりなセットだったのですが、終演後、次の劇団の公演のために物凄い勢いで片付けてました。毎日こうやって組み立てては片付けてるなんて、頭が下がります。

Margaret Thatcher Queen of Game Shows  ★★★

マーガレット・サッチャーがゲーム番組の司会者でアシスタントはジョージ・オズボーンとマイケル・ゴーブ、という設定のコメディ。
劇場に入ると、テレビ・スタジオと客席、のようになっていて、リック・アストリーやらカイリー・ミノーグやら80年代の懐メロがガンガンにかかっておりました。お客さんもすでにノリノリ。

ショーでは、Brexit をテーマにしたくだらないゲーム(曲がったバナナを真っ直ぐにする、とか・笑)で観客を競わせつつ、風刺の効いたやり取りで笑わせます。
スコットランド国民党党首の二コラ・スタージョンをおちょくるシーンで観客の反応が割れていたのが興味深かったですねぇ。

アシスタントを演じた2人の役者さん、ダンスがキレッキレ。いくつもの役を速いテンポでこなしてました。
マーガレット・サッチャー役の役者さん、めっちゃ作り込んでましたねぇ。アドリブも効いてたし。

このショーはツレアイチョイスで、観に行く前は若干の不安があったのですが、完成度がめちゃめちゃ高くて、ずーっと笑いっぱなしでした。

Teatro Delusio/Familie Flöz ★★★

劇場のバックステージを舞台にした仮面劇。一切セリフのないマイムです。
これ、今回のベスト・ショーでした!
ストーリーらしきものはなくて、バックステージで働く3人の裏方とオペラ歌手や役者といった出演者たちの絡みで進んでいきます。
かなりの数のキャラクターが出てくるのですが、それをたった3人の役者さんたちが演じておりました。
人形も出てきて、これまた文楽のように3人で動かしてました。

マイムだと、登場人物の感情が増幅されてこちらに伝わる感じ。
仮面なんだけど、表情豊かなんですよね~。
ここで泣く?!というシーンで、ワタクシの涙腺、決壊しました。

En Folkefiende/Squint ★★★☆☆

エディンバラ滞在中、ランチ後に1本、ディナー後に1本観て、間の時間は街をウロウロしておりました。
ところが、この日はザンザン降りの雨。なので、午後にも1本観ることに。
たまたま入った劇場で目に留まったのが、イプセンの『民衆の敵』。
初イプセンでした。

劇場に入ってまず目に留まったのが、大きなガラスのキューブ。
この中で話が進んでいきます。
登場人物以外の役者さんたちはキューブの外にいて中を伺う、という演出。

真っ当な主張をしているのに、周囲の人々の思惑や利益に反しているせいで聞き入れてもらえない、というストーリーはめちゃめちゃ今日的。100年前からわたし達何も変わってないのねぇ。

Simon Evans: In the Money  ★★★

今回のコメディの〆はツレアイチョイスのお笑い。
何にビックリって、サイモン・エヴァンス、我がツレアイにソックリなのですよ!(この写真はそうでもありませんが)一緒に観に行った友人夫妻も「兄弟って言われても驚かないかも」と言っておりました。

さて。彼のトークのお題は「経済」。
英国では、1ベッドルームのアパート→3ベッドルームの家→2ベッドルームのアパート、のようにライフスタイルの変化に合わせて家を買い替えるのが一般的で、Property Ladder (不動産の梯子) を上るなどと言ったりします。
彼自身の不動産売買にまつわるエピソードをポルト酒片手に語る、というスタイル。
合間に吐く毒のあるコメントが効いておりました。

ただね~、これは完全にワタクシの英語力の問題なのですが、オチを早口で、しかも半分口の中でモゴモゴッと言うもんだから聞き取れず、周りが爆笑する中1人ポカーン、ということがちょくちょくありました(涙)

エディンバラ・フェスティバル・フリンジ、観るものによって当たり外れが大きいと聞いていたのですが、期待以上にクオリティ高かったです!
街中がお祭りムードで、連日夜10時頃にエディンバラ城で花火が上がっておりました(フェスティバル期間中、毎晩ミリタリー・タトゥーがあって、その後花火が上がるそう)。
これは要再訪ですな!

29 August 2016

Edinburgh Festival Fringe 2016 (1) | エディンバラ・フェスティバル・フリンジ 2016 その1

カールトン・ヒルから旧市街を臨む。

先々週のこと。ツレアイとエディンバラ・フェスティバル・フリンジに行ってきました。
丸4日間、どっぷりとエンターテイメントに浸かって参りましたよ~。


統一感のある街並みが美しいエディンバラ。
なんとなく、ロンドンよりも「ヨーロッパ感」があるような。

大道芸人たちが技を披露したりして賑わっていたハイストリート。

さて。エディンバラ・フェスティバル・フリンジでは、25日間の開催期間中、連日連夜、お芝居、お笑い、ダンス、コンサートなどが街中で上演されます。聞くところによると、その数約3000とか。なのでプログラム冊子を見て、何を観に行くかを決めるのはほぼ不可能。
ワタクシたちは、全国的に有名なコメディアンのショー2つと、是非とも観たかったお芝居1つを事前に予約。あとはフライヤーやポスターで気になったもののレビューを確認して、当日や前日にチケットを買っておりました。

という訳で、忘れないうちに観たものを記録しておきたいと思います。

 On Ego/Mind Over Matter Theatre Collective ★★★★★

1本目はお芝居。
「私を私たらしめているのは何なのか」という哲学的なテーマを、SFな舞台設定と身体的な演出で、見事にエンターテイメントとして成立させていました。
理屈っぽいだけじゃなくて、感情移入しちゃうようにもなっていて、とあるシーンでワタクシ滂沱の涙を流しておりました(何に感動したのか未だに整理できていませんが)。
1本目に非常にクオリティの高い作品を観て、幸先の良いスタートを切ったのでした。


Shappi Khorsandi: Oh My Country! From Morris Dancing to Morrissey ★★★★★

2本目はお笑い。
イギリスで一番好きなコメディアン、シャピー・コーサンディのライブ。


会場は地下のコメディ・クラブ。ステージ、近っ!会場内は満員御礼、熱気ムンムンでありました。
幼い頃、イラン革命で生命の危機を感じた両親に連れられて難民としてロンドンにやって来たシャピー。
そんな彼女のトークのネタは、移民としてこの国で体験したこと、をベースに自らの恋愛、子育て、そしてカレーで出会った難民へと広がっていきます。
EU離脱を決めたイギリスへの愛の鞭、のような内容でしたね~。
核心を突いたことを言っているのですが、それを笑いに変えて、笑いながら納得させる話術に唸りました。

と、長くなったので次回に続きます!

22 June 2016

Phaedra(s) and Hawkesmoor | ギリシャ悲劇とガッツリ肉ディナー


© Pascal Victor(写真は Time Out より拝借)
after Wajdi Mouawad, Sarah Kane and J M Coetzee
Stars: Isabelle Huppert, Agata Buzek, Andrzej Chyra, Alex Descas, Gaël Kamilindi, Norah Krief, Grégoire Léauté and Rosalba Torres Guerrero
 Director: Krzysztof Warlikowski
★★★☆☆

先日のこと。
イザベル・ユペール主演のお芝居『 Phaedra(s)』を観に行ってきました。

そもそもユペール・ファンのツレアイの誕生日プレゼントに、とチケットを予約したので、予約した時点で安心しちゃってそのまま月日が流れ。前日にあわてて粗筋をチェックして、このお芝居がギリシャ悲劇だってことを確認したのでした。正確にはギリシャ神話に登場するパイドラを基に書かれたエウリピデスの『ヒッポリトス』、セネカの『パイドラ』、ラシーヌの『フェードル』を基に3人の現代(劇)作家が書いたものを演出家の Krzysztof Warlikowski がつなぎ合わせて3部構成にしたもの、であることが判明(だからタイトルが複数形なのね)。その上演時間、なんと3時間40分!

。。。寝る、絶対寝ちゃう。という不安を胸に劇場へ。

案の定、「継子に恋しちゃう継母」という元の話が複雑に再構築されていて、アフロディーテがパエドラで、パエドラがアフロディーテで、みたいなシーンがあったりして激しく混乱。しかも、仏語のお芝居なので、英語の字幕を追いながらの鑑賞。。。

にもかかわらず、4時間弱、ずーっと舞台に集中していたのですよ。これは偏にイザベル・ユペールの凄まじい演技力のお蔭。ほとんど出ずっぱりの彼女から目を離すことができなかったんですねー。このお芝居の魅力は彼女だ、と言い切っちゃっていいと思う。
『ピアニスト』をはじめとする映画で、凄い女優さんだなぁとは思っていたけれど、舞台上での存在感、半端なかったです。

それにしても、フランス女性と言えば、颯爽とハイヒールを履きこなし、というイメージだったのですが、このお芝居の女性キャストのみなさん、15cmはあろうかというヒールの靴で走ったり、踊ったり、転がったり。そこにも目が釘付け、でありました。



さて。芝居前の腹ごしらえにと向かったのは、劇場からほど近いステーキ・ハウス。
契約農家から仕入れた牛肉を部位ごとに適宜熟成させ、炭火焼きで出してくれるという「Hawkesmoor」。我が家の肉星人のお誕生日ディナーに打ってつけだわ~、と予約したのでした。


17時の開店と同時に入店。
ご覧のように、ウッドパネルを多用した落ち着いた内装で大人の雰囲気。と思いきや、サービスの人たちはチェックのシャツなど着ていてカジュアル、そしてフレンドリーでありました。


お得なプレシアター・メニュー(プリフィックスで2コース25ポンド、3コース28ポンド)より、前菜の「カニ肉を乗せたトースト」。これ、ちゃんとカニの味がする(ここ重要)カニ肉がたっぷり乗ってましたよー。クレソンのサラダにはキュウリのピクルスとケイパーが忍ばせてありました。

ツレアイの前菜は「骨髄 キャラメライズした玉ねぎ添え」。ワタクシの前腕の長さはあろうかという骨が、パックリ割られてドーン、と。トゥルットゥルの骨髄と甘い玉ねぎをトーストに乗せていただくと、うまーい!のですが、かなり濃厚なので2口くらいで十分。


そして、メインのリブアイ・ステーキ。肉で勝負だぜ、という心意気の伝わるプレゼンテーション。

ちょっぴり失敗したのが、焼き加減を伝えるときに「ミディアム・レア」のつもりで「ミディアム」と言ってしまったこと。とはいえ、炭の香りをまとった肉は香ばしく、噛み締めるとじわじわっと旨みがお口に広がります。こりゃあワインが進みますな。

付け合わせのポテトフライも外側カリカリ、内側ホクホク。イモのフレーバーが強くてうまーい。

このステーキ、1人前250グラムありまして、ワタクシ半分でギブ。残りをツレアイが平らげました。肉食人種なのねぇ、としみじみ(?)

写真はありませんが、デザートに頼んだ「イチゴとホワイトチョコのチーズケーキ」が出色でした!再構築版チーズケーキといった趣で、キューブ状のイチゴのゼリーが散りばめられておりました。程よい甘さで、うまーい。かなり満腹だったため、デザート1個しか頼まなかったのが悔やまれます。

一皿、一皿、丁寧に仕上げられているのが伝わってくるお料理で大満足。また肉気分のときには是非再訪したい!



Hawkesmoor Guildhall
http://thehawksmoor.com/
10 BASINGHALL STREET, LONDON EC2V 5BQ
Tel: 020 7397 8120
★★★★☆

14 May 2016

Noh Reimagined @ Kings Place | 初めての能

写真は Kings Place のサイトより拝借。

3月の文楽に引き続き、友人に誘ってもらって日本の伝統芸能「能」を初体験して参りました!
2日間の公演のうち、我々が行った初日は能の見どころを集めたダイジェスト版。
公演前には、アメリカ人の能の先生 Richard Emmert 氏によるレクチャーがあって、初心者にはありがたかったです。意外だったのは、能は女性にも門戸を開いている、ということ。
 
さて、公演を観た率直な感想は、能ってストーリーが分かりづらいな、であります。実際、演目の終わりが分からなくて、どこで拍手したものやら、という戸惑いの空気が客席を流れておりました。歌舞伎のように、何の予備知識がなくてもある程度楽しめる、というものではないのかも。

だけど、すり足で舞い踊るシテ方や楽器担当のみなさんの姿勢や所作の美しいこと!それこそ、指先、つま先にまで神経が行き届いていて、目が釘付けに。

そして今回一番の収穫は、鼓と笛による能の音楽を聴けたこと。
なんだろう、思ってたより激しい、というか、ジャズとか前衛的なクラシック音楽のような趣。あるいは原始的な魂の叫び、という意味ではロック?
独特のリズムと掛け声が、西洋音楽とは全然違っていて、あー、これが日本人のDNAに組み込まれたリズムなのだなー、と。
もしかして、昔の人にとっての能鑑賞って、わたしたちがジャズ・クラブに行くような感じだったのかも。お酒片手にグルーヴを感じる、みたいな。
で、そういう情感たっぷりな音楽を、それこそ能面のように無表情で演奏するんですよねー。

終演後のカーテン・コールで、それまで無表情だった出演者のみなさんが満面の笑みを浮かべていたのが印象的でした。

そう言えば、わたしの実家がある岐阜市では夏に「長良川薪能」なるイベントがあったな~、と思って検索してみたら、ありました!コチラ http://www.gifucvb.or.jp/event/detail_summer.php?eid=00021
川に設置された舞台でかがり火に照らされた能を鑑賞なんて、素敵じゃないですか。しかも、無料ですってよ。
あの暑さを思うと夏に帰国するのは躊躇われますが、これは観てみたいですねぇ。

30 March 2016

Rakugo and Brunch | 落語とブランチ

先週末のこと。
友人に誘われて、桂三輝(かつら・さんしゃいん)の英語落語を聞きに行ってきました。
三輝さんはカナダ出身で、桂文枝の15番目(だったと思う)のお弟子さん。
今はワールド・ツアーの真っ最中で、北米はもとより、ガーナとかスリランカといった国も回っているんだとか。

いやー、笑った笑った。イギリスのスタンダップ・コメディ(漫談?)が好きでよく見てますが、めっちゃ頭使わないと笑えなくて、寛げないのですよ。対して落語は、たとえ英語で演じられていても反射神経で笑えるんですねー。

会場はカムデンにあるライブ・ハウスでした。
お客さんは8割方日本人かな、という感じ。

ちゃんと高座が設えてありました!

前ふり(枕)のネタは、英語と日本語の違いや日本独特の文化・風習。
「ある、ある」な感じで笑えたのですが、これ、日本語がまったく分からない人にとってはどうなんだろう?と思って帰宅後、ツレアイにこのビデオを見せてみました。



結構ニヤニヤしながら観ていて、終わった後「おもしろかった」と。「どうよー!」と、なぜか得意になるワタクシ(笑)

で、演目は2つだったのですが、結構な早口でぱんぱーんと畳みかける感じ。
噺の情景がありありと浮かんできて楽しい♪

三輝さん、なにがスゴイって(いろいろスゴイんだけど)第二言語で笑いが取れること。
どんな面白い話も英語で言った途端に自分でも何が面白いんだかわからなくなるワタクシには、羨ましいことこの上なし。。。

さて。落語が午後からだったので、その前に腹ごしらえ。チョークファームはラウンドハウスのカフェで週末ブランチをいただきました。


 ブランチ・メニューは「パンとペイストリー(お代わり自由)」と「メイン一皿」に「コーヒー/紅茶(お代わり自由)」が付いて14.95 ポンドなり。
さらに、29.95ポンドで「ベリーニ/ブラディ・マリー飲み放題」を付けることができます。周りのテーブルでは、みなさん飲み放題を付けていて、ご機嫌な感じでしたよ。


このペイストリーたち、期待以上に美味しかった!
サクッとしていて、バターの風味も良くて。


メインには、「ポテト・ロスティ、目玉焼き、アボカド+チョリソ」を選択。
卵の黄身がトロットロ。全体的に良い塩梅で美味しくいただきました。
かなりのボリュームで、この後もう少しペイストリーを食べたかったけど入らず。

実はブランチなるものを外でいただくのは、今回が初めて。
ちょっとした非日常感があって良いですねー。


MADE Bar & Kitchen
http://www.roundhouse.org.uk/bars-and-kitchen/made-bar-and-kitchen/
Roundhouse, Chalk Farm Road, London, NW1 8EH
Tel 020 7424 8495
★★★☆☆

9 March 2016

Bite-sized Bunraku |文楽入門

写真は「NIKKEI STYLE」より拝借。


友人に誘われてジャパンファウンデーション主催の文楽公演に行ってまいりました。初文楽、です。
始まる前に夕食を食べたのですが、眠たくなったら困る。。。と警戒してアルコールを摂らなかったワタクシ。いやー、そんな心配まったく無用でした!

今回の公演は初心者向けの入門編といった趣向になっていて、2つの演目『艶姿女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)』と『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』 からそれぞれ一場面ずつ、そして演者さんたちによる文楽についての説明がありました。

この説明が楽しかった!語りを務める太夫と三味線方の方たちがどう工夫しているか、とか、人形を3人の人形遣いでどう動かすのか、とか。
人形の仕掛けを色々見せてくれたのですが、女性の人形だけ、着物の袖をきーーっと噛みしめることができるように、口元に針が仕込んであるそうな。

で、実際のお芝居なのですが、人形でここまで繊細な感情表現ができるんですねー。すっかり惹き込まれました。
さらに 『本朝廿四孝』の場面では、お姫様が諏訪神社の狐の力を借りて凍った湖を渡る、というシーンがあって、この狐に憑りつかれたお姫様が狐たちと舞い踊るんですが、その激しいこと!人形遣いさんがお姫様の人形をぶんぶん振り回しちゃって、激しい三味線の音と相まって、もうなに、ハードロック?といった感じ。

これは是非、一つの演目を通しで観てみたい。
ちょっと調べてみたところ、大阪に国立文楽劇場があって、そこで定期的に公演があるそう。
字幕があるそうで、これは嬉しい。太夫さんの語り、昔の言葉でほとんど意味がわからず、英語字幕に頼っていたので。
が、一つの演目が一部と二部に分かれていて、全部観ると長い!朝の11時から夜の9時まで。。。歌舞伎みたいですな。江戸時代の人にとっては、1日かけて楽しむ特別な娯楽だったんでしょうね~。

17 February 2016

The Homecoming | 帰郷

Writer: Harold Pinter
Stars: Keith Allen, Gemma Chan, Ron Cook, Gary Kemp, John Macmillan, John Simm
 Director: Jamie Lloyd
★★★★★

ハロルド・ピンター作『帰郷』を観に行ってきました。初ピンター、です。
セリフの英語がさほど難しくなくて、役者さんたちの言ってることは大体理解できたのですよ。
でもね、脈絡なくシュールな会話が繰り広げられたかと思うと、「え、ここで終わり?!」と言う場面で唐突にお芝居が終わっちゃって、終演後、「結局、何の話だったんだろう?」と悩みました。

とは言え、惹き込まれて最後まで夢中で観てたんですけどね。
特に、幕開けの、次男レニーを演じたジョン・シムの登場シーンが鳥肌モノにカッコイイ!舞台に魂持っていかれました。

ロックっぽい音楽に合わせて振り付けられたような役者さんたちの動きが、セリフの不条理さを引き立てておりました。

そして、紅一点、ジェマ・チャンの美しいこと!妖艶な不思議ちゃん、といった感じでありました。

この日劇場で隣に座っていた50歳前後と思しき男性、カナダからロンドンへやって来ては年間100本以上のお芝居を観るんだ、とおっしゃってました。
今回は10日の滞在で21本観るんだそうで。1日2本以上!
どっかで聞いたことある話だと思ったら、昨年7月にロイヤル・コート・シアターで『hang』を観たときに隣にいた人でした(驚)
今回観た芝居の話をしながら、持参した小型の裁断機でフライヤーを切って、糊でノートに貼り付けて、せっせと感想を書き込んでおりましたよ。
筋金入りの演劇ファン!

そんな彼も「ピンターは何回観ても、わからん」と言っていて、ちょっと安心したのでした(笑)

8 November 2015

Hamlet | ハムレット

 Writer: William Shakespeare
Stars: Benedict Cumberbatch, Ciarán Hinds, Anastasia Hille, Siân Brooke, Leo Bill
 Director: Lyndsey Turner
★★★★☆

About two weeks ago, my husband and I went to see Hamlet starring Benedict Cumberbatch that has the record for the fastest sold-out play in British theatre history. Because I rarely understand Shakespearean English, I had to compare the scenes with the Japanese script and Japanese version of Hamlet I saw at the Barbican in summer in my head to follow what was going on the stage. I have to admit that I lost my concentration and consciousness several times... Still I enjoyed it a lot. I had only seen Hamlet twice or so and I always got annoyed by his being so indecisive that things got worse and worse. But this time, I fully empathized with him. It's frustrating that I can't put what was different about Cumberbatch into words. He's really a gifted actor. I loved the set as well, the shade of blue they used for the walls and detail of the decor. The set felt so deep that it made me wonder if the stage of the Barbican has been always this big. As for the direction, there were moments I was a bit puzzled. I'd like to check this with someone who knows Shakespeare very well. 

After the curtain call, Benedict Cumberbatch made a speech to ask donation for refugees. He quoted a poem by a Somali British poet Warsan Shire which was very moving (I've put the whole poem at the end of this post).

2週間ほど前のこと。
英国演劇史上最速でチケットが完売した、ベネディクト・カンバーバッチ主演の『ハムレット』を観に行ってきました。 

シェークスピア英語がほとんど理解できないので、日本語版、そして夏に観た蜷川ハムレットと頭の中で照らし合わせながらの観劇。途中、何度か集中力が途切れて意識が遠のいたことを告白します。。。

とはいえ、楽しい時間を過ごしました~(いや、ホントに)。
これまで、そんなに『ハムレット』を観ているわけではないのですが、毎回イライラしていたのですよ、ハムレットに。「君がウジウジ悩んでる間に事態が悪化しとるではないかーーー!しかも、うっかり恋人の父親を殺しちゃったりして、もうもう!」てな具合に。
ところが、カンバーバッチ・ハムレットには、「そうだよね、悩んじゃうよね」と、彼の心情を汲み取って寄り添うことができたのですよ。
彼の何が違ったのかを言い表す語彙を持ち合わせていないのがもどかしいですが、すごい俳優だわー、カンバーバッチ。 

そして舞台セットが素晴らしかったですねー。
バービカンの舞台ってこんなに広かったっけ?と思ったほど、奥行きが感じられてるようになっていて。
壁に使われていた微妙な色合いの青や細かい装飾がツボでした。

演出に関しては3箇所ほど「あれ?」と思うところがありましたが、シェイクスピア通の人に確認してみたいです。

終演後のカーテン・コールでカンバーバッチ氏が難民支援の募金を募るスピーチをしたのですが、そこで彼が引用した詩に心を動かされました。作者はソマリア系イギリス人の詩人だそうです。

Home, by Warsan Shire

no one leaves home unless
home is the mouth of a shark.

you only run for the border
when you see the whole city
running as well.

your neighbours running faster
than you, the boy you went to school with
who kissed you dizzy behind
the old tin factory is
holding a gun bigger than his body,
you only leave home
when home won't let you stay.

no one would leave home unless home
chased you, fire under feet,
hot blood in your belly.

it's not something you ever thought about
doing, and so when you did -
you carried the anthem under your breath,
waiting until the airport toilet
to tear up the passport and swallow,
each mouthful of paper making it clear that
you would not be going back.

you have to understand,
no one puts their children in a boat
unless the water is safer than the land.

who would choose to spend days
and nights in the stomach of a truck
unless the miles travelled
meant something more than journey.

no one would choose to crawl under fences,
be beaten until your shadow leaves you,
raped, then drowned, forced to the bottom of
the boat because you are darker, be sold,
starved, shot at the border like a sick animal,
be pitied, lose your name, lose your family,
make a refugee camp a home for a year or two or ten,
stripped and searched, find prison everywhere
and if you survive
and you are greeted on the other side
with
go home blacks, refugees
dirty immigrants, asylum seekers
sucking our country dry of milk,
dark, with their hands out
smell strange, savage -
look what they've done to their own countries,
what will they do to ours?

the dirty looks in the street
softer than a limb torn off,
the indignity of everyday life
more tender than fourteen men who
look like your father, between
your legs, insults easier to swallow
than rubble, than your child's body
in pieces - for now, forget about pride
your survival is more important.

i want to go home,
but home is the mouth of a shark
home is the barrel of the gun
and no one would leave home
unless home chased you to the shore
unless home tells you to
leave what you could not behind,
even if it was human.

no one leaves home until home
is a damp voice in your ear saying
leave, run now, i don't know what
i've become.

7 July 2015

hang

 Writer/Director: debbie tucker green
Stars: Marianne Jean-Baptiste, Claire Rushbrook, Shane Zaza
★★★★★

Marianne Jean-Baptiste was a star in this play! It was as if she was blessed by the god of acting. Immediately after the last scene, she looked to be overwhelmed by emotions she herself created. The play is set in a office-looking room and the story is told only through the conversation between the three characters. This conversation had a rhythmic quality. At first it was very unclear what they were talking about and the play had rather comical tone. Then gradually things became clear... I'd love to see this play again! 

いやー、もう、マリアンヌ・ジャン=バプティストの演技に圧倒されました!まるで、演技の神様が舞い降りたかのようでありました。
終演直後の彼女、両手に顔をうずめ客席に背を向けて、劇中自ら作りだした感情に呑まれたようになっていました。。。

このお芝居、オフィス然とした無機質な空間で繰り広げられる 3 人の登場人物の会話だけで物語が進んでいきます。 この 3 人の応酬、すごくリズミカルでした。

最初何の話をしているのか分らず、笑えるシーンも結構あったりして、暢気に笑ってるうちに段々話のスジが見えてきて。。。

これ、もう 1 回観てみたいです。

***

もうひとつのブログ『英国的庭仕事雑記帳』では、BBC ドラマ『Wolf Hall』の撮影に使用されたペンズハースト・プレイス & ガーデンズの庭について綴っています。

2 June 2015

Ninagawa Company | NINAGAWA祭

I saw the two Ninagawa Company plays at the Barbican Theatre.

バービカン劇場にて蜷川幸雄氏演出のお芝居が2本上演されました。
忘れないうちに、感想をば。

Hamlet | ハムレット

 Writer: William Shakespeare
Stars: FUJIWARA Tatsuya, MITSUSHIMA Hikari, OHORI Ran, HIRA Mikijiro, MITSUSHIMA Shinnosuke, YOKOTA Eiji, UCHIDA Kenshi, TAKAO Taka
Director: NINAGAWA Yukio
★★★☆☆

Set in a slum quarter in late 19th century Japan (it was when Shakespeare was first introduced to Japan), Hamlet was played by young yet experienced FUJIWARA Tatsuya. This was my first Hamlet and I have to say, how indecisive he is! Whilst he distresses himself endlessly, things get increasingly worse and almost everybody dies in the end...The direction emphasized Japanese culture. We saw Kabuki for the play within a play. I was impressed how fit HIRA Mikijiro is (he is 81 years old!)

日本に初めてシェークスピアが紹介された19世紀末の貧乏長屋を舞台に、藤原竜也が悩める青年ハムレットを演じておりました。

初『ハムレット』だったのですが、主人公ハムレットの決断力のなさときたら!
うじうじ悩んでる間に事態は悪化の一途をたどって主要人物がほぼ全員死亡するという。。

演出は日本らしさを前面に押し出していて、劇中劇は歌舞伎風でした。

クローディアスを演じた平幹次朗の健在ぶりに感服いたしました。


Kafka on the Shore | 海辺のカフカ

 Writer: Frank Galati based on the work by MURAKAMI Haruki
Stars: MIYAZAWA Rie, FUJIKI Naohito, KIBA Katsumi, FURUHATA Nino, SUZUKI Anne, KAKIZAWA Hayato, TAKAHASHI Tsuitomu, TORIYAMA Masakatsu, SHINKAWA Masato
Director: NINAGAWA Yukio
★★★★★

As a big fan of Murakami, I was both curious and anxious about a dramatization of Kafka on the Shore. Curious about how they can tell this complicated story, which involves different times and places, on the stage. Anxious about the possibility that this fantastic book might be ruined. It turned out that I didn't have to worry at all. They recreated Murakami world on the stage successfully! The casting was spot on, especially Nakata played by KIBA Katsumi and Sakura played by Suzuki Anne who were both exactly how I imagined when I read the book.

The stage design was very clever to show different scenes seamlessly. The stage assistants did a really good job.

I was moved by the  emotions delivered by subtle acting by MIYAZAWA Rie and adored her beauty.

Only criticism is that Nakata passed away rather too quickly. Maybe I felt that way because he is my favourite character.

I'd love to see this play again and again!

村上ファンとして、この『海辺のカフカ』の舞台化は好奇心半分、不安半分でした。
時代や場所が入り組んだこの物語をどう芝居で表現するのかという好奇心と、まったく別物になってしまうのではないかという不安と。

で、わたしの不安はまったくの杞憂でした。
舞台上に村上ワールドが見事に再現されておりました!
キャスティングが素晴らしくて、特に木場勝己の「中田さん」と鈴木杏の「さくら」は、本を読んで想像していたとおりでした。 

複雑なストーリーを見せつつテンポよく場面転換する演出が冴えてましたねー。
カーテンコールで黒子さんたちに惜しみない拍手を送ったの、初めてかも。

そして宮沢りえの美しさと繊細な感情表現よ!

難を言うなら、中田さんの最後が少々あっさりしてたかなぁ。
でもこれは、わたしが「中田さん」という登場人物に思い入れがあるから、そう思ったのかも。

とまれ、再演があるならまた観たいわー、これは。


***
もうひとつのブログ『英国的庭仕事雑記帳』では、初めて行ったチェルシー・フラワーショーについて綴っています。

10 March 2015

Japan reconstructed | 外から見たニッポン


I had lunch at Yashin Ocean House the other day. As  you can see in the photo above, this restaurant is in a one-story building which is a bit unusual.

サウス・ケンジントンにある Yashin Ocean House にランチに行ってきました。
こちらのレストラン、ご覧のようにロンドンには珍しく平屋建て。


I was particularly looking forward to Aburi Salmon Ikura Don (seared salmon sashimi and ikura roe on rice) in their lunch menu. A salad and soup came first as starters. The soup in a coffee cup is Miso Cappuccino, miso soup with ginger tofu foam. If you expect Japanese miso soup you might get shocked a little bit by this soup, but I took it as a kind of soup and it was lovely.

この日のお目当てはランチ・メニューの「炙りサーモンいくら丼」
まずは前菜が運ばれてきました。
カップに入っているのは味噌汁のカプチーノ仕立て。
生姜の風味が効いていて、 上に乗った冷たい豆腐のフォームが面白い。
味噌汁と思っていただくと面食らうけど、「ミソスープ」と思うと美味しい。
日本人としては、味噌汁は丼と一緒に欲しいけど、前菜にサラダとスープ、は英国に合わせているんでしょうねー。


And this is the main course Aburi Salmon Ikura Don. Look how shiny the salmon roe (ikura) is! The seared salmon sashimi was very fresh. I liked the vinegary jelly on top of the rice. 16GBP for this dish is very reasonable. By the way, a white thing on top of salmon is pickled ginger. I had a big bite thinking that would be pickled turnip or something and it was a bit of a shock.

I think their food is reconstructed version of Japanese food. Their trendy decor and BGM are not my sort of things but if I'm in the area at lunch time, I'll go there to have another rice bowl!

そしてこちらがメインの炙りサーモンいくら丼。
見よ、このイクラの輝きを!
程よく炙られた鮭、美味しかった~。
さらに土佐酢と思われるジュレがいい仕事してました。
これで16ポンドはお値打ちかと。
ちなみにイクラの横に乗っかってる白いモノはガリです。
わたしはカブか何かの漬物かと思ってガブッといっちゃって、ちょっと涙目になりました(笑)

こちらのお料理は、日本料理を外から見て構築しなおした感じですねー。
いかにも今風なインテリアとBGMで若干落ち着かない感じですが、昼時にこの近辺に行くことがあれば、また丼食べに行くと思います。

Yashin Ocean House 
117-119 Old Brompton Road, South Kensington London SW7 3RN
Tel 020 7373 3990
★★★☆☆

After a pleasant lunch, I walked down to the Royal Albert Hall to see the opera "Madam Butterfly". I read the story beforehand and found it horrible. I know it's nonsense to talk about the story which was written more than hundred years ago with my own 21st century values, but...

An American officer Lieutenant Pinkerton was in Nagasaki, Japan and got married to a young Japanese geisha girl Cio Cio san. She was only fifteen then. After a short marriage, he went back to the US and did not come back for three years. Cio Cio san trusted her husband and longed for his return with their son who was born three years previously. But Pinkerton in fact got married in the US and didn't have the guts to tell her the truth...what a bastard! No sign of good faith. Because the audience was angry with him, the poor singer who played Pinkerton got booed at the curtain call. The story was set in Japan and the tiny things which were not authentic (such as the way they put on their kimonos or the timing of their bows) bothered me, so I decided to see it as a reconstructed Japanesey place. Yet the performance was very good, especially I adored the voice of Cio Cio san which was like melted cheese on a piece of pizza.

この日はこの後、てくてくとロイヤル・アルバート・ホールまで歩いて行って、オペラ『蝶々夫人』を観てきました。

予習のために粗筋を読んでビックリ。
結構ひどい話ですねー、これ。
100年以上前に書かれた話に今の価値観を当てはめるのは意味のないことではありますが。。

長崎に赴任中の海軍士官ピンカートンは、 結婚仲介人ゴローに現地妻として芸者の蝶々さんを紹介してもらいます。このとき、蝶々さん、15歳。今だったら犯罪です。
束の間の結婚生活の後、アメリカに帰ったピンカートン。3年経っても戻って来ません。
それでも夫を信じて、3年前に生まれた息子と一緒に帰りを待ち続ける蝶々さんですが、実はピンカートンはアメリカで結婚していて。。

もうねー、このピンカートンの人でなしっぷりときたら!
誠意の欠片も感じられないのですよ。
観客一同怒り心頭だったようで、終演後のカーテンコールで、ピンカートン役の歌手の方が気の毒にも盛大なブーイングを浴びておりました。

舞台が日本の長崎なのですが、日本だと思って観ると違和感が大きすぎてオペラ自体に集中できませんでした。
細かいことだけど、衣装の着物におはしょりがなくて旅館の浴衣のよう、とか、お辞儀のタイミングが変、とか。
なので途中から「これは外から再構築された日本らしき場所なのだ」と思って観ることにしました。

ここでふと思ったのですが、たとえば宝塚の『ベルサイユのばら』をフランス人が観たらどう思うんでしょうかねー?

とはいえ、演奏自体は素晴らしかったです。
特に蝶々夫人を演じた歌手のつきたての餅がすーーっと伸びるような歌声!聴き惚れました。

***

もうひとつのブログ『英国的庭仕事雑記帳』では、春先の庭仕事について綴っています。

29 January 2015

Golem/1927

Writer/Director: Suzanne Andrade
Film, Animation & Design: Paul Barritt
Music: Lillian Henley
Costume: Sarah Munro
Performers: Esme Appleton, Will Close, Lillian Henley, Rose Robinson, Shamira Turner
★★★★★


Based on a Jewish myth, Golem by East London based 1927 shows us a modern society controlled by information derived from marketing.

One day, an ordinary young man Robert gets a Golem created from mud. Golem obeys Robert's orders and even works at his company instead of him. Golem would give him some useful advice and by listening to this advice, his life is gradually taken over by Golem... What is amazing about this play is that this Golem is in CG. All the backgrounds are animated images projected on panels. And the CG and performers are merged perfectly. It is like the performers look like 2D rather than the CG looks like 3D. Live music by the keyboard and the drums makes scenes alive.

We receive information delivered by computer all the time. This play throws a question; don't you let the marketing make your own decisions? I want to say "No", but to think about it, I am often tempted by personalized recommendations from Amazon. It's scary to think that my life is manipulated without my knowing it.

I loved the costumes which reminded me of  70s.

ゴーレム、とはユダヤ教の伝承に登場する泥人形で、作った主人の命令を忠実に実行するそうな。
東ロンドンを拠点に活動している劇団 1927 の『Golem』は、この伝承を下敷きに、「マーケティングに基づく情報」が支配する現代社会の姿を映し出しておりました。

いたって平凡な青年ロバートは、ある日、泥人形ゴーレムを手に入れます。
なんでも言うことを聞くゴーレム。仕事も代わりにやってくれたりして。ためになるアドバイスもしてくれます。でもそのアドバイスを聞いていくうちに、ロバートの生活は徐々にゴーレムに支配されていって。。。

何がすごかったって、このゴーレムが CG なのですよ。背景も全部パネルに映ったアニメーション。この CG と役者さんたちが、めちゃくちゃ馴染んでましたねー。CG が立体的、というよりは役者さんたちが平面になったような感じで。
キーボードとドラムによる生演奏の音楽で臨場感が増してました。
 
求めなくても色んなところからやって来る、コンピュータによってはじき出された情報。
このお芝居は、そんな情報に操られて自分で考えることを放棄してるんじゃないの?という問いを投げかけてきます。
そんなことない、と言いたいところですが、実際、アマゾンなんかから送られてくるパーソナライズされたお勧め商品をポチっちゃったりしてるんですよねー。そうやって知らず知らずのうちに操られている、と考えるとゾッとします。

70年代を思わせるキッチュな衣装がツボでした。


My husband and I had a quick dinner before the show at The Cut in Young Vic. The food was OK but it had a lovely buzzy atmosphere. I'd love to pop in to have a glass of wine or two even when I'm not seeing any play there.

このお芝居、Young Vic で観たのですが、始まる前に劇場に入っているカフェ The Cut でささっと食事しました。
料理自体は可もなく不可もなく、と言った感じだったのですが、このカフェの程よくザワザワしてる雰囲気が良かったー。観劇の予定がなくても1杯やりに寄りたい感じ。


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24 January 2015

Light/Theatre Ad Infinitum

Writer/Director: George Mann
Performers: Charlotte Dubery, Matthew Gurney, Robin Guiver, Deborah Pugh, Michael Sharman
Composer and Sound Designer: Chris Bartholomew
Light Consultant and Production Electrician: Matthew Leventhall
★★★★★

Light by Theatre Ad Infinitum is a part of  London International Mime Festival 2015. It was the third time I had seen this company. Their shows are very different every time which always surprises me in a good way.

This time, it is Sci-Fi. The story is set in a dictatorship nation in the near future where the government manipulates people's thought. Alex is a son of the dictator and is ordered to capture a rebellious "terrorist"... The theatre was pitch-dark and scenes were created with mobile lighting such as torches. The lighting, music and performers' movements were choreographed in a very complicated and fast moving way, and everything was spot-on despite being in complete darkness! Yet they managed to deliver characters and emotions. At the post show Q&A, the writer/director George Mann said something like he focused on putting heart into the choreography rather than the choreography itself. He wrote this play inspired by Edward Snowden's revelation. It was a thrilling Sci-Fi fantasy based on the question of how much a nation can step into people's privacy to protect its security.

I'm already looking forward to their next production!

ロンドン国際マイム・フェスティバルの一環として上演された Theatre Ad Infinitum の『Light』を観に行ってきました。 
この劇団のお芝居を観るのは今回で3度目。毎回まったく違う趣向の作品で驚かせてくれます。

で、今回は SF。
思考をコントロールすることによって人々を支配する近未来の独裁国家が舞台。
その独裁者を父親に持つアレックスは、国家に反逆する "テロリスト" を捕まえるよう命じられて。。

真っ暗闇の中、手持ちの照明器具でシーンが作られていきます。
この照明と音楽と役者さんたちの動きが、すごくテンポが速いのに、一寸の狂いもなくピッタリ合ってるんですよ、暗闇の中で!
じゃあ無機質なお芝居なのかと言うと、そうじゃなくて、登場人物の内面がちゃんと伝わってくるんですねー。
終演後の Q&A で監督・脚本のジョージ・マン氏が
「振り付けそのものよりも、役者さんたちの動きの中にハートを込めることに意識を集中した」
というようなことを言っておられました。

エドワード・スノーデンの告発に刺激を受けて脚本を書いたそうなのですが、治安を守るために国家がどこまで個人のプライバシーに踏み込むのか。。という今まさに議論されているテーマが、スリリングな SF ファンタジーになっていて、文字どおり手に汗握る70分間でありました。

Theatre Ad Infinitum、次回作も楽しみだー!

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13 November 2014

[NTL] Frankenstein | [NTL] フランケンシュタイン

Writer: Nick Dear, based on the novel by Mary Shelley
Stars: Benedict Cumberbatch, Jonny Lee Miller, Naomie Harris, Karl Johnson
Director: Danny Boyle
★★★★★+++


I'd been waiting for this National Theatre Live, Frankenstein! In this play, Benedict Cumberbatch and Jonny Lee Miller play Dr. Victor Frankenstein and the Creature alternately each day. The one with Miller as the Creature (version M) was screened first and then after a week Cumberbatch as the Creature (version C).

As for the version M, I felt strong sympathy for the Creature. The play started with the birth of the Creature, struggling to stand up. He was like a new born fawn...Miller's Creature highlighted his innocence and was almost charming, so it didn't make sense to me that Victor was scared of him and ran away. On the other hand in the version C, the Creature was really creepy. It is difficult to put into words but he wasn't humane at all. Because of that, him seeking for love looked even sadder. Victor played by Cumberbatch was full of "I'm genius, I'm God" type of arrogance, but Victor played by Miller seemed an ordinary man. In both versions, I felt that Cumberbatch played something beyond us and Miller was easier to identify with.

The stage with rotating facility and passage through the audience seats which has a hole reminded me of a Kabuki stage. Hundreds of filament bulbs hanging from the ceiling were very effective.

It's amazing that Mary Shelley wrote this universal story at the age of eighteen. As I'd never read it, I got the book the other day. Well, what a long prologue! I'm on the page 21 and no sign of the Creature yet!
   

ちょくちょくお邪魔しているこちらのブログで熱い劇評を読んで以来、観たくて観たくて仕方なかったお芝居『フランケンシュタイン』。このたび、そのデジタル映像が映画館で上映される「ナショナル・シアター・ライブ」のアンコール上映ありまして、喜び勇んで行って参りました!

このお芝居、主演のベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーが、ヴィクター・フランケンシュタイン博士とクリーチャーを日替わりで交互に演じていて、今回は最初にミラー = クリーチャー版(ミラー版)、その1週間後にカンバーバッチ = クリーチャー版(カンバーバッチ版)が上映されました。

最初に観たミラー版では、クリーチャーに感情移入しまくり。
冒頭の誕生シーンで立ち上がろうとする姿は、まるで生まれたての仔鹿のよう。。そこへやって来たヴィクターがクリーチャーの姿に恐れをなして逃げ出す訳ですが、そんなに怖がらなくても。。という感じ。純粋さが前面に押し出されていて、愛嬌があると言えなくもないのに。
これが、カンバーバッチ版では一転して、ヴィクターが逃げ出すのも無理ないよね、という不気味さ。上手く言葉にできないのですが、人間味のようなものが全く感じられなかったのですよ。その分、彼の愛を乞う姿が哀しかったですねぇ。

一方、ミラー版のカンバーバッチ演じるヴィクターは、「俺は神だー」 という類の傲慢さを撒き散らしていて、カンバーバッチ版のミラー演じるヴィクターは灰汁の強さみたいなものはなくて、ごく普通の人、という感じでしたねー。

両方のお芝居で カンバーバッチは人間を超越した何者か、を演じていて、ミラーは観客が共感できる人物を演じていたように感じました。

廻り舞台に「スッポン」らしきもののある花道、と、歌舞伎を彷彿とさせる舞台仕様。天井からぶら下がった何百個というフィラメント電球が効果的でした。

それにしても原作者のメアリー・シェリー、若干18歳でこんな普遍性のある小説を書いたとは。読んだことがなかったので、早速入手して読み始めたのですが、なんというかプロローグが長い!今、21ページ目ですが、まだクリーチャー登場しておりません(笑)

6 November 2014

TOROBAKA | トロバカ

Created and Performed by Akram Khan & Israel Galván
Music arranged and performed by David Azurza, Bobote, Christine Leboutte, B C Manjunath, Bernhard Schimpelsberger
★★★★★+++

I went to see the first day of Torobaka at Sadler's Wells. I'm still excited. It was just awesome! For this production, Bangladeshi British Akram Khan and Spanish Israel Galván bring their traditional dances, kathak and flamenco. It wasn't an ethnic exchange. It was more like two people who know what dance is really well, had a conversation through their dance... I was fascinated by their differences. Even when they danced with similar choreography and were in perfect harmony, they were totally different. Akram was soft and Israel was hard. The music with only percussion and singers was fantastic, too. Towards the end of the show, I felt like I was watching a pagan religious ceremony and my soul was taken to the stage.

アクラム・カーンとイスラエル・ガルヴァンの『トロバカ』、サドラーズ・ウェルズ劇場の初日に行って参りました。
いまだ興奮冷めやらず。
いやもう、素晴らしいの一言でした。。

バングラデッシュ系イギリス人のアクラムとスペイン人のイスラエルが、それぞれ自分のルーツである舞踊、カタックとフラメンコ、を持ち寄って作り上げる舞台。
とはいえ、異文化の出会い、とかいう感じではなくて、ダンスを知りつくした2人がダンスを通して会話している感じ、とでも言いましょうか。。
2人の違いがとにかく面白かった。同じような振り付けで踊っていても、調和してるんだけど、全然違うのですよ。アクラムの柔にイスラエルの剛、って感じ。

パーカッションと歌のみの音楽も素晴らしかったです。

最後の方は何だか原始宗教の儀式を見ているような感じで、魂、舞台に持っていかれましたー。

10 August 2014

Richard III|リチャード三世

Writer: William Shakespeare
Stars: Martin Freeman, Forbes Masson, Lauren O'Neil, Jo Stone-Fewings, Simon Coombs
Director: Jamie Lloyd
★★★☆☆

I went to see the theatre play "Richard III" starring Martin Freeman (John Watson from Sherlock) about a week ago. Because I'd only seen him playing a good Englishman,  when I heard about this play, I thought he was miscast (sorry!). But when I watched the American TV drama "Fargo" in which he played an ordinary man who actually was quite nasty in a very convincing way, so I thought I should see his Richard III and bought a ticket.

About a week before the show, I received an email from the theatre saying
"Patrons seated in rows A, B, C and D of the auditorium seating and row AA of the stage seating please be prepared for the strong possibility of being splashed with stage blood and dress accordingly."
My expectation got higher.

I made a big mistake that even though I didn't know about the play with its complicated characters and relationships very well, I just read a simple synopsis before I went to the theatre. It was difficult for me to understand the lines spoken in Shakespeare's English and couldn't really get the relationship between so many characters and Richard. In the end, I was like
"Well, anyway, everybody is in the way of Richard's ambition..."

Still I enjoyed the show (I really did!). To achieve his desire to be a king, Richard gets rid of competitors one by one. Yes, so many characters are killed in varieties of ways. He always sends his men to kill his victims or traps them himself. But he killed one character himself and that was scary. He chased the victim all over the small stage and got her. Under his heavy breath, he attacked her again and again and again. And his villainous face! It was as if we were witnessing the real murder.

The play was set in the end of the 70's and the set reminded me of the office in "Tinker Tailor Solder Spy" (in fact they took inspiration from the book according to the program). And I guess the direction in which the story proceeds rather quickly reflects their intention in that they want to "engage with as many young people and new theatregoers as possible" (from the program). It felt a bit light to me despite the fact that so many people got murdered on the stage, but it was a fantastic introduction of Richard III for the beginners like myself.

I've heard that Benedict Cumberbatch (Sherlock Holmes from Sherlock) is also going to play Richard III for a TV drama. I'd love to watch it to see the differences. Maybe I should read the play first!

By the way, I think there aren't any other actors who clears his throat as effectively as Martin Freeman.


1週間ほど前のこと。
BBCドラマ『シャーロック』でジョン・ワトソンを演じたマーティン・フリーマン主演のお芝居を観に行ってきました。
マーティン・フリーマン、常識人やイイ人を演じてるのしか観たことなくて、最初にこのお芝居の事を聞いたとき、失礼ながらも、ミスキャストでは?と思ったのですよ。
ところが、米テレビ・ドラマ『ファーゴ』で一見平凡なのに腹黒い主人公を説得力を持って演じていて、わー、やっぱりこの人のリチャード三世を観てみたい、と慌ててチケット取った次第。

観劇1週間前に劇場からメールが来て
「舞台近くのお席の方は血飛沫がかかる可能性がありますので、それなりの服装でおいでください」
と。高まる期待(笑)

それにしても失敗したのは、シェイクスピア通でもないのに、これだけ人物関係が複雑に入り組んだ劇にあらすじをざっと読んだだけで臨んだこと。
シェイクスピア英語で語られる台詞が半分も理解できない上に、やたらと数の多い登場人物とリチャードとの関係を把握しきれず。。しまいには、「とにかく、この人もこの人もリチャードが王位に就くのに邪魔なのね」と十把一絡げに。

それでも、 十分楽しめました!(いや、ホントに)
自らの野心のため、次々と邪魔者を消してゆくリチャード。
ありとあらゆる方法で登場人物がばんばん殺害されて行きます。
たいていは部下を使ったり、謀略を図ったりして自分の手は汚さないのですが、1人だけ自ら手にかけます。 
これがねー、怖かった。
狭い舞台を逃げ回る被害者を不自由な身体で追いまわすリチャード。
追い詰めて、ぜーぜー息を切らせつつ、鬼の形相でこれでもか、これでもかと被害者の息の根を止めにかかって。。なんだか現実の殺人を目撃しているような感じでした。

今回の舞台は70年代末の英国に設定されていて、セットは映画『 裏切りのサーカス』に出てくるオフィスを彷彿とさせます(パンフによると実際、参考にしているそう)。
そこでサクサクと早いテンポで物語が進んでいく演出は、パンフにあった「普段シェイクスピアや演劇を観ない人たち、特に若い人たちに楽しんでほしい」という意図を反映していたと思います。
あんなに人が殺されちゃうのに何だか軽いなぁ、とは思いましたが、わたしのように初めてリチャード三世を観る人にとっては良い入門編だったのでは。

このお芝居は『シャーロック』でシャーロック・ホームズを演じたベネディクト・カンバーバッチもテレビでやるそうで。
是非とも観なければ。
いや、その前に戯曲を熟読しなければ。

ところで、マーティン・フリーマンは咳払い使いが抜群に上手い役者さんだと思うのですが、いかがでしょう?

29 June 2014

SKYLIGHT | スカイライト

Writer: David Hare
Stars: Carey Mulligan, Bill Nighy, Matthew Beard
Director: Stephen Daldry
★★★★★

My husband and I went to see the play "SKYLIGHT" stared by Carey Mulligan and Bill Nighy. First performed in 1995, the themes are just as valid today, in fact the story could be set in any era.

Kyra (Carey Mulligan) is a teacher who lives in a shabby flat in north west London and finds teaching children in a poor area rewarding. One cold winter evening, her former lover Tom (Bill Nighy), who is a successful restauranteur,  visits her unexpectedly. He just lost his wife a year ago and wants to re-kindle their relationship.

The play is set entirely in Kyra's flat (which has gas, electricity, and water!) and depicts a man and a women who desire each other but have different attitudes towards life which create a big gap between them. Loved the script by David Hare. What a thrilling conversation these two actors have!

 If you have a partner, you might want to check if you share certain viewpoints with him or her after the show...

  
キャリー・マリガン、ビル・ナイ主演のお芝居『SKYLIGHT』を観に行ってきました。
1995年初演のこのお芝居、不思議と今の空気にピッタリなお話でした。
あるいは、いつの時代に置き換えても成り立つストーリー、と言えるかも。

ロンドン北西部の小さな安アパートに暮らすキーラ(キャリー・マリガン)は教師。貧困地区の子供たちの教育にやりがいを感じています 。
ある寒い冬の夜、思いがけず、かつての恋人でやり手のレストラン経営者トム(ビル・ナイ)が訪ねてきます。
1年前に妻を癌で亡くしたトムは、かつての二人の暮らしを取り戻そうとやって来たのでした。

セットはキーラのアパートのみ(ガス・電気・水道が通っててビックリ)。
 お互いに求めあいながらも価値観や生き方の違いが埋められない溝になっている男女の姿が、二人の会話だけで描かれています。
デヴィッド・ヘアの脚本が、もう惚れ惚れするほど素晴らしい!

パートナーがいる人は観終わった後、相手と色々確認したくなるんじゃないでしょうか。。。



Before the theatre, we had dinner at my husband's favourite Turkish restaurant.
The restaurant is situated in Wilton Road, 10 minutes walk from Victoria station.

お芝居の前に、ツレアイお気に入りのトルコ料理屋さんで腹ごしらえ。
このレストラン、ヴィクトリア駅から歩いて10分ほどの Wilton Road にあります。


Very Turkish interior. I want one of those lamps!
トルコチックな内装。このランプ欲しい!

We had a big main course, slow roasted lamb shoulder (minimum 2 people).
Very tender meat flavoured with wild thyme, garnished with crunchy salad.
この日のメインはドーン、ラム肩肉のスロー・ロースト。2名より注文可。
ホロッホロのお肉にタイムの香りが効いてて美味。サラダが添えられてるのがいいですねー。

We had Turkish red wine for the first time which was surprisingly (sorry!) lovely.
We didn't have much time on this occasion but would love to try some mezze next time!

トルコ・ワイン(赤)を試してみたのですが、意外にも(失礼!)美味しかったです。
今回は時間がなくてあまりゆっくりできなかったけど、次回はメゼなども試してみたい!


Kazan
kazan-restaurant.com
93-94 Wilton Road, London SW1V 1DW
Tel 020 7233 7100
★★★☆☆