22 June 2016

Phaedra(s) and Hawkesmoor | ギリシャ悲劇とガッツリ肉ディナー


© Pascal Victor(写真は Time Out より拝借)
after Wajdi Mouawad, Sarah Kane and J M Coetzee
Stars: Isabelle Huppert, Agata Buzek, Andrzej Chyra, Alex Descas, Gaël Kamilindi, Norah Krief, Grégoire Léauté and Rosalba Torres Guerrero
 Director: Krzysztof Warlikowski
★★★☆☆

先日のこと。
イザベル・ユペール主演のお芝居『 Phaedra(s)』を観に行ってきました。

そもそもユペール・ファンのツレアイの誕生日プレゼントに、とチケットを予約したので、予約した時点で安心しちゃってそのまま月日が流れ。前日にあわてて粗筋をチェックして、このお芝居がギリシャ悲劇だってことを確認したのでした。正確にはギリシャ神話に登場するパイドラを基に書かれたエウリピデスの『ヒッポリトス』、セネカの『パイドラ』、ラシーヌの『フェードル』を基に3人の現代(劇)作家が書いたものを演出家の Krzysztof Warlikowski がつなぎ合わせて3部構成にしたもの、であることが判明(だからタイトルが複数形なのね)。その上演時間、なんと3時間40分!

。。。寝る、絶対寝ちゃう。という不安を胸に劇場へ。

案の定、「継子に恋しちゃう継母」という元の話が複雑に再構築されていて、アフロディーテがパエドラで、パエドラがアフロディーテで、みたいなシーンがあったりして激しく混乱。しかも、仏語のお芝居なので、英語の字幕を追いながらの鑑賞。。。

にもかかわらず、4時間弱、ずーっと舞台に集中していたのですよ。これは偏にイザベル・ユペールの凄まじい演技力のお蔭。ほとんど出ずっぱりの彼女から目を離すことができなかったんですねー。このお芝居の魅力は彼女だ、と言い切っちゃっていいと思う。
『ピアニスト』をはじめとする映画で、凄い女優さんだなぁとは思っていたけれど、舞台上での存在感、半端なかったです。

それにしても、フランス女性と言えば、颯爽とハイヒールを履きこなし、というイメージだったのですが、このお芝居の女性キャストのみなさん、15cmはあろうかというヒールの靴で走ったり、踊ったり、転がったり。そこにも目が釘付け、でありました。



さて。芝居前の腹ごしらえにと向かったのは、劇場からほど近いステーキ・ハウス。
契約農家から仕入れた牛肉を部位ごとに適宜熟成させ、炭火焼きで出してくれるという「Hawkesmoor」。我が家の肉星人のお誕生日ディナーに打ってつけだわ~、と予約したのでした。


17時の開店と同時に入店。
ご覧のように、ウッドパネルを多用した落ち着いた内装で大人の雰囲気。と思いきや、サービスの人たちはチェックのシャツなど着ていてカジュアル、そしてフレンドリーでありました。


お得なプレシアター・メニュー(プリフィックスで2コース25ポンド、3コース28ポンド)より、前菜の「カニ肉を乗せたトースト」。これ、ちゃんとカニの味がする(ここ重要)カニ肉がたっぷり乗ってましたよー。クレソンのサラダにはキュウリのピクルスとケイパーが忍ばせてありました。

ツレアイの前菜は「骨髄 キャラメライズした玉ねぎ添え」。ワタクシの前腕の長さはあろうかという骨が、パックリ割られてドーン、と。トゥルットゥルの骨髄と甘い玉ねぎをトーストに乗せていただくと、うまーい!のですが、かなり濃厚なので2口くらいで十分。


そして、メインのリブアイ・ステーキ。肉で勝負だぜ、という心意気の伝わるプレゼンテーション。

ちょっぴり失敗したのが、焼き加減を伝えるときに「ミディアム・レア」のつもりで「ミディアム」と言ってしまったこと。とはいえ、炭の香りをまとった肉は香ばしく、噛み締めるとじわじわっと旨みがお口に広がります。こりゃあワインが進みますな。

付け合わせのポテトフライも外側カリカリ、内側ホクホク。イモのフレーバーが強くてうまーい。

このステーキ、1人前250グラムありまして、ワタクシ半分でギブ。残りをツレアイが平らげました。肉食人種なのねぇ、としみじみ(?)

写真はありませんが、デザートに頼んだ「イチゴとホワイトチョコのチーズケーキ」が出色でした!再構築版チーズケーキといった趣で、キューブ状のイチゴのゼリーが散りばめられておりました。程よい甘さで、うまーい。かなり満腹だったため、デザート1個しか頼まなかったのが悔やまれます。

一皿、一皿、丁寧に仕上げられているのが伝わってくるお料理で大満足。また肉気分のときには是非再訪したい!



Hawkesmoor Guildhall
http://thehawksmoor.com/
10 BASINGHALL STREET, LONDON EC2V 5BQ
Tel: 020 7397 8120
★★★★☆

16 May 2016

Green, Green | グリーングリーン


気持ちの良い五月晴れが続いている英国南東部。
久しぶりに森へ散歩に出かけました。
新緑が眩しくて清々しー!



先月発見して大喜びだったワイルド・ガーリックの群生地。
一斉に白い花が咲いて、お花畑になっておりました。


なかなかに可愛らしい花じゃあ、ありませんか。
5月の森はブルーベルやらワイルド・ガーリックやら、見どころ満載ですな。

ピンクの蕊がかわいい!



 小道の両脇に茂ったカウ・パセリ(シャク)に誘われて、さらに森の奥へと散歩は続くのでした。。。

14 May 2016

Noh Reimagined @ Kings Place | 初めての能

写真は Kings Place のサイトより拝借。

3月の文楽に引き続き、友人に誘ってもらって日本の伝統芸能「能」を初体験して参りました!
2日間の公演のうち、我々が行った初日は能の見どころを集めたダイジェスト版。
公演前には、アメリカ人の能の先生 Richard Emmert 氏によるレクチャーがあって、初心者にはありがたかったです。意外だったのは、能は女性にも門戸を開いている、ということ。
 
さて、公演を観た率直な感想は、能ってストーリーが分かりづらいな、であります。実際、演目の終わりが分からなくて、どこで拍手したものやら、という戸惑いの空気が客席を流れておりました。歌舞伎のように、何の予備知識がなくてもある程度楽しめる、というものではないのかも。

だけど、すり足で舞い踊るシテ方や楽器担当のみなさんの姿勢や所作の美しいこと!それこそ、指先、つま先にまで神経が行き届いていて、目が釘付けに。

そして今回一番の収穫は、鼓と笛による能の音楽を聴けたこと。
なんだろう、思ってたより激しい、というか、ジャズとか前衛的なクラシック音楽のような趣。あるいは原始的な魂の叫び、という意味ではロック?
独特のリズムと掛け声が、西洋音楽とは全然違っていて、あー、これが日本人のDNAに組み込まれたリズムなのだなー、と。
もしかして、昔の人にとっての能鑑賞って、わたしたちがジャズ・クラブに行くような感じだったのかも。お酒片手にグルーヴを感じる、みたいな。
で、そういう情感たっぷりな音楽を、それこそ能面のように無表情で演奏するんですよねー。

終演後のカーテン・コールで、それまで無表情だった出演者のみなさんが満面の笑みを浮かべていたのが印象的でした。

そう言えば、わたしの実家がある岐阜市では夏に「長良川薪能」なるイベントがあったな~、と思って検索してみたら、ありました!コチラ http://www.gifucvb.or.jp/event/detail_summer.php?eid=00021
川に設置された舞台でかがり火に照らされた能を鑑賞なんて、素敵じゃないですか。しかも、無料ですってよ。
あの暑さを思うと夏に帰国するのは躊躇われますが、これは観てみたいですねぇ。