28 March 2017

Get Out | ゲット・アウト

Director: Jordan Peele
Writer:  Jordan Peele
Stars: Daniel Kaluuya, Allison Williams, Bradley Whitford, Catherine Keener
2017/USA
★★★★☆

アメリカで黒人である、というのはとても恐ろしいことなのだ!という風刺の効いたコメディ・ホラー。そう、ホラー映画なのにコメディなのです。そしてトランプ大統領が誕生した今観ると、恐ろしさも倍増でございます。

ホラー映画、登場人物がやたら叫びまくって血みどろで…というのが苦手でほとんど観ないのですが、この映画はツレアイたっての希望により渋々鑑賞。だったのですが、めちゃくちゃ面白かったです!笑いながら恐怖を感じる、というのが新鮮でした。

この映画、恐怖シーンが何の前触れもなく突然挿入されるんですよ。で、映画館中から「ぎゃっ」「ひぃっ」という悲鳴が(笑)

物語のベースになっているのはアメリカでの黒人に対する人種差別なのですが、マイノリティへの憎悪、というよりも差別する側には悪気がないんだけど、無知やステレオタイプに基づく言動が結果として差別になっちゃってる、という事に焦点が当てられておりました。それが笑いのネタになっていて。

主演のダニエル・カルーヤ、どこかで見たことあると思ったら、英国のコメディ番組『Harry & Paul』で、秒速で駐禁切符を切りまくる交通監視員パーキング・パタウェヨを演じていた俳優さんでした。

23 February 2017

My first food of Laos | 初めてのラオス料理


各国料理店が軒を並べるロンドン。
初めてのイラン料理、初めてのミャンマー料理、初めてのペルー料理。。。すべてこの街で経験したのでした。

そしてこの度、友人が見つけたお店でラオス料理デビューを果たしました!
このお店、ロンドンに数店舗あるタイ料理屋さん Rosa's Thai Cafe の共同設立者の方が始めたそうで。

6名以上のグループしか予約を取らない、ということで17時半過ぎに行ってみたら、ご覧のように余裕で席をゲットできました。19時近くには、ほぼ満席になっていたので早めに行くのが吉ですな。


お洒落なカフェ、といった内装。東南アジアにあるバックパッカーに人気のカフェ、といった趣です。
上の写真左の照明がツボ。我が家に欲しい!


まずはラオスのビールで乾杯!
さて料理を、とメニューを見たらば、今英国ではグランジっていうんですか、かすれたフォントが流行っているのですが、それがメニューに取り入れられていて、衰え始めたワタクシの目には厳しかった(涙)

四苦八苦の末、注文した料理は
・雛鳥の炭火焼き
・豚首肉の炭火焼きのラーブ(サラダ)
・バナナの葉に包まれたごはん
の3品。


雛鳥、どーーーーん!
用意されているカトラリーがフォークとスプーンだったので、ここは豪快に手で引きちぎって齧り付きます。お肉がジューシーで美味い!ビールが進みます。
添えられているソースは甜面醤のような味噌に酸味と辛味を合わせたようなお味。唐辛子が効いていて辛いのですが、慣れると病みつきになる感じ。一緒に頼んだごはんに合います。ごはんはおこわのような感じで、少なく見えますがお腹にたまります。

サラダは美味しかったのですが、ワタクシの許容値を超えた辛さで、しばらく唇が腫れた状態に。塩も結構きつく感じました。が、このあたりは言えば調整してもらえそうです。

初めてのラオス料理、特にサラダの甘じょっぱ酸っぱ辛い味付けなんかはタイ料理に近いな、という印象でした。

近くの席の人たちが鍋を頼んでいたのですが、それが素焼きの土鍋に入って出てきて非常に美味しそうだったのですよ。次は鍋だな。 

Lao Cafe
60 Chandos Place,London, WC2N 4HG
Tel: 020 3740 4748
★★★☆☆

22 February 2017

The Past (Le passé) | ある過去の行方

Director: Asghar Farhadi
Writer:  Asghar Farhadi
Stars: Bérénice Bejo, Ali Mosaffa, Tahar Rahim, Pauline Burlet
2013/France = Italy = Iran
★★★★☆

『彼女が消えた浜辺』を観て、 要チェック、と思っていたアスガル・ファルハーディー監督。先日、BBC iPlayer で彼の2013年の作品『ある過去の行方』を発見、大喜びで鑑賞しました。

男女や親子の葛藤にまつわる心理劇に加えて、「犯人は誰だ?」的な謎解きの要素もあって、一瞬たりとも目が離せない秀作でした。

以下、かなりのネタばれとなりますので、これから観るわ~、という方はそっとウィンドウを閉じてくださいませ…。
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さて。映画はパリの空港に到着したアフマドをマリーが迎えに来る場面で幕を開けます。このシーンがねぇ、絶妙なのですよ。2人の関係はまだわからないのだけど、親しさの中に一触即発的な緊張感のある微妙な空気が彼らの間に流れていることはわかるのです。なになに?と一気に惹き込まれます。

やがて2人は夫婦で、だけどアフマドがマリーの元を去って故郷のイランに帰っていたことが明らかになります。マリーにはすでに新しい恋人サミールがいて、彼と結婚するために正式な離婚手続きをすべく、アフマドを呼び寄せたのでした。

このマリーを演じたのが『アーティスト』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたベレニス・ベジョ。魅力的なんだけど、なんだかエライ自分勝手な女性を好演しておりました。『彼女が消えた浜辺』の主人公といい、この監督の描く女性ってちょっとビッチなんですよねぇ。監督の女性観を反映してるのかしらん?

マリーは、自分の2人の娘に加えて、すでにサミールとその息子と一緒に暮らしています。なのに、アフマドにホテルではなく自宅に泊まるよう言ったりするわけですよ。その間、サミールには自分の家に帰ってもらって(!)。そこには最近うまくいっていない、難しいお年頃の娘リュシーとの関係を取り持って欲しいという思惑があるのですが。

さて、このリュシー、反抗期で母親に反発しているのかと思いきや、サミールが既婚者で彼の妻が自殺未遂を起こして昏睡状態にあるのに、結婚を考えている母親が許せない、と。さらには実は妻が自殺を図る前日に、マリーとサミールがやり取りしたメールを彼女に転送していて、それが自殺の原因ではないかと罪の意識に苛まれていたのです。

このあたりの事情をアフマドが聞き出すのですが、一緒に暮らしていた頃はさぞ子供たちに慕われていたんだろうな、というのが伝わってくるんですよね~。

妻の自殺の原因、というのはその後新たな展開があって、結局は謎のままなんですけどね。だけど、本当は何があったのか?を推測するのに十分な材料が提供されているので、一緒に観た人と楽しくあーだこーだ言い合えそうです。

来月には、ファルハーディー監督の新作『セールスマン』が封切られます。是非とも観に行かなくちゃ!