18 July 2016

The Strawberry Blonde | いちごブロンド

Director: Raoul Walsh
Writers: Julius J. Epstein, Philip G. Epstein and James Hagan (from a play by)
Stars: James Cagney, Olivia de Havilland, Rita Hayworth
1941/USA
★★★★☆


映画であれ何であれ、誰かに「○○見に行かない?」と誘われたら、なるべく行くようにしています。
自分ではまず選ばないな、というものでも行ってみると新たに視野が広がったりするので(あ、でもアクション映画は行かないかも。3秒以上アクションやカーチェースが続くと寝ちゃうので・笑)。
でもねー、この映画は正直迷いました~。トレーラーを確認してみると、19世紀末のニューヨークを舞台にしたラブコメらしく、なにやら陽気な音楽まで流れていて。。。

他に用事もないし、と観に行くことにしたのですが、これが行ってみて大正解。

ストーリー自体は、どうってことなくて、主人公ビフ(ジェームズ・キャグニー)は友人ヒューゴに想い人ヴァージニア(リタ・ヘイワース)を奪われただけでなく、ヒューゴのせいで濡れ衣を着せられて刑務所行きになってしまいます。ヴァージニアへの失恋直後に自暴自棄な気持ちで付き合いだしたアン(オリビア・デ・ハヴィランド)と結婚するビフですが、ヴァージニアへの想いは断ちがたく。。。だけど、最終的には、お金はあるけどお互いに気持ちのないヒューゴ・ヴァージニア夫婦を見て、誠実な妻を持った自分は幸せ者だと気付くのです。

「女の幸せは結婚相手で決まる」的な価値観とか、どっちかというと無礼なビフのどこにアンは魅力を感じたのか、とか相容れない部分もあるのですが、75年前に作られた映画を今の価値観で判断するのは意味ないですもんね。

だけどこの映画、19世紀末のニューヨークの風俗が興味深く描かれているのですよ。
馬車に乗ってデートの相手を迎えに行ったり、ダンス・ホールで踊ったり。
胸に「Y」と編み込まれたとっくりセーター着ていたカレッジ・ボーイと呼ばれるキャラクターがツボでした(Yale の Y?)。今で言う、校章の入ったトレーナーを着る感じ?

あと、当初反目し合っていたビフとアンが、ある会話がきっかけで親密になるシーンが良かったですね。

本編の後に、「皆さんご一緒に!」みたいな画面が出てきて、一緒に主題歌を歌う趣向になっていて、これが楽しかった~。歌の後、みんな一斉に拍手、でした。

それにしても、ジェームズ・キャグニーの出演作を初めて観たのですが、彼、ジャック・ニコルソンにしか見えなかった。。。


4 July 2016

A Michelin starred restaurant in the Lake District | 湖水地方の星付きレストラン

先週、義父の生誕80周年記念祭に合わせてランカシャー州の義父宅に5日ほど滞在したときのこと。
せっかくなので(?)、以前から気になっていた湖水地方の星付きレストラン L'Enclume に行ってみることに。名目は結婚記念日のお祝い。1か月以上前倒ししてみました(笑)


降りしきる雨の中(残念ながら、この滞在中お天気には恵まれませんでした。。。)ランチに向かったワタクシとツレアイ。
明るいコンサバトリーの席に通されました。


ランチは6皿コースと15皿コースの2種類。我々は6皿コースを頂くことに。
サービスの方が蝋で封印されたお品書きを持ってきてくれました。
「今日の思い出に」という割に日付が間違っていたのはご愛敬(笑)

Cod 'yolk' with pea shoot, salt and vinegar

この1皿目がね~、出色でした!
タラのムースをサフランのゼリーで包んで卵の黄身に見立ててあって、下にあられの様なサクサクしたものが敷いてありました。程よい磯の香りとマヨネーズっぽいソースが絶妙。

左上から時計周りに、パン(豚の脂とホイップ・バター)、Broth ot turnip, hen of the woods and chickweed、Grilled onions, magenta lettuce, goat's curd, chicken and yeast、Reg's guinea hen, beetroot, wood blewits

パンはサワードウブレッド。バターが美味でした。豚の脂は、ワタクシには獣度が高すぎでした。
2皿目は自家栽培の蕪のスープ。ほっこり優しいお味。テーブルでジャグからスープを注いでくれたのですが、ジャグにまだスープが残っていたのを見逃さなかったワタクシ達。「あれ、入れてほしかったね」と言い合ったのでした。
3皿目はグリルした玉ねぎ、レタス、ヤギのカード(凝乳)のサラダ的なもの。メニューにチキン、とあるのだけど、鶏肉が見当たらず。と思ったら、上に振りかけてあるパン粉みたいなのが鶏味でした!
4皿目はホロホロ鳥。ビーツのソースが甘酸っぱくてうまーい。

どのお皿も、和と北欧と足して二で割ったような器と絵画の様なお料理がお互いを引き立て合ってますねぇ。

上:Gooseberry, buttermilk, spruce
下:Holker Yoghurt, strawberry and sorrel

5皿目からはデザート。
5皿目はバターミルクのアイスクリームにグースベリーのコンポート。クランブルと緑のシャーベット(フレーバー不明)が添えてありました。バターミルク、最近、他のレストランのデザートでも見かけました。流行ってる?
6皿目はヨーグルトのムースにイチゴ。白い板状のものは甘くてパリパリしておりました。
どちらも程よい甘さで美味しく頂きました~。


最後にコーヒーを頼んだら、小さなアプリコットのアイスクリームが出てきました。アプリコットの風味が効いてて美味。

どのお皿も「これ、どうなってんの?!」というワクワク感があって、楽しいランチでありました。

ご覧のように、かーなーりポーション小さ目で、ワタクシは腹八分という感じだったのですが、ツレアイには物足りなかったそう。周りのテーブルの人たちは、チーズボードを追加しておりました(程よい熟成具合のチーズ、美味しそうでしたよ)。我々は勘定書きがエライことになるのが怖くて、チーズは断念。

で。最後にコーヒーで〆たのですが、これがテーブル脇で淹れてくれるフィルター・コーヒーだったのですよ。特別な淹れ方らしく、何かの儀式の様な作法で丁寧に淹れてくれたのですが。。。不味い。ほんのりコーヒー風味の茶色い湯、でありました。いやでも、味の分かる人にはちゃんと美味しいコーヒーなのかも?

食後に村をチョロッと散策したらば、「Award winning coffee」の張り紙のあるカフェが。また来ることがあったら、食後のコーヒーはこのカフェで飲みたいと思います。。。 


L'Enclume
http://www.lenclume.co.uk/
Cavendish Street, Cartmel, Grange-over-Sands LA11 6PZ
Tel: 015395 36362
★★★☆☆ 

22 June 2016

Phaedra(s) and Hawkesmoor | ギリシャ悲劇とガッツリ肉ディナー


© Pascal Victor(写真は Time Out より拝借)
after Wajdi Mouawad, Sarah Kane and J M Coetzee
Stars: Isabelle Huppert, Agata Buzek, Andrzej Chyra, Alex Descas, Gaël Kamilindi, Norah Krief, Grégoire Léauté and Rosalba Torres Guerrero
 Director: Krzysztof Warlikowski
★★★☆☆

先日のこと。
イザベル・ユペール主演のお芝居『 Phaedra(s)』を観に行ってきました。

そもそもユペール・ファンのツレアイの誕生日プレゼントに、とチケットを予約したので、予約した時点で安心しちゃってそのまま月日が流れ。前日にあわてて粗筋をチェックして、このお芝居がギリシャ悲劇だってことを確認したのでした。正確にはギリシャ神話に登場するパイドラを基に書かれたエウリピデスの『ヒッポリトス』、セネカの『パイドラ』、ラシーヌの『フェードル』を基に3人の現代(劇)作家が書いたものを演出家の Krzysztof Warlikowski がつなぎ合わせて3部構成にしたもの、であることが判明(だからタイトルが複数形なのね)。その上演時間、なんと3時間40分!

。。。寝る、絶対寝ちゃう。という不安を胸に劇場へ。

案の定、「継子に恋しちゃう継母」という元の話が複雑に再構築されていて、アフロディーテがパエドラで、パエドラがアフロディーテで、みたいなシーンがあったりして激しく混乱。しかも、仏語のお芝居なので、英語の字幕を追いながらの鑑賞。。。

にもかかわらず、4時間弱、ずーっと舞台に集中していたのですよ。これは偏にイザベル・ユペールの凄まじい演技力のお蔭。ほとんど出ずっぱりの彼女から目を離すことができなかったんですねー。このお芝居の魅力は彼女だ、と言い切っちゃっていいと思う。
『ピアニスト』をはじめとする映画で、凄い女優さんだなぁとは思っていたけれど、舞台上での存在感、半端なかったです。

それにしても、フランス女性と言えば、颯爽とハイヒールを履きこなし、というイメージだったのですが、このお芝居の女性キャストのみなさん、15cmはあろうかというヒールの靴で走ったり、踊ったり、転がったり。そこにも目が釘付け、でありました。



さて。芝居前の腹ごしらえにと向かったのは、劇場からほど近いステーキ・ハウス。
契約農家から仕入れた牛肉を部位ごとに適宜熟成させ、炭火焼きで出してくれるという「Hawkesmoor」。我が家の肉星人のお誕生日ディナーに打ってつけだわ~、と予約したのでした。


17時の開店と同時に入店。
ご覧のように、ウッドパネルを多用した落ち着いた内装で大人の雰囲気。と思いきや、サービスの人たちはチェックのシャツなど着ていてカジュアル、そしてフレンドリーでありました。


お得なプレシアター・メニュー(プリフィックスで2コース25ポンド、3コース28ポンド)より、前菜の「カニ肉を乗せたトースト」。これ、ちゃんとカニの味がする(ここ重要)カニ肉がたっぷり乗ってましたよー。クレソンのサラダにはキュウリのピクルスとケイパーが忍ばせてありました。

ツレアイの前菜は「骨髄 キャラメライズした玉ねぎ添え」。ワタクシの前腕の長さはあろうかという骨が、パックリ割られてドーン、と。トゥルットゥルの骨髄と甘い玉ねぎをトーストに乗せていただくと、うまーい!のですが、かなり濃厚なので2口くらいで十分。


そして、メインのリブアイ・ステーキ。肉で勝負だぜ、という心意気の伝わるプレゼンテーション。

ちょっぴり失敗したのが、焼き加減を伝えるときに「ミディアム・レア」のつもりで「ミディアム」と言ってしまったこと。とはいえ、炭の香りをまとった肉は香ばしく、噛み締めるとじわじわっと旨みがお口に広がります。こりゃあワインが進みますな。

付け合わせのポテトフライも外側カリカリ、内側ホクホク。イモのフレーバーが強くてうまーい。

このステーキ、1人前250グラムありまして、ワタクシ半分でギブ。残りをツレアイが平らげました。肉食人種なのねぇ、としみじみ(?)

写真はありませんが、デザートに頼んだ「イチゴとホワイトチョコのチーズケーキ」が出色でした!再構築版チーズケーキといった趣で、キューブ状のイチゴのゼリーが散りばめられておりました。程よい甘さで、うまーい。かなり満腹だったため、デザート1個しか頼まなかったのが悔やまれます。

一皿、一皿、丁寧に仕上げられているのが伝わってくるお料理で大満足。また肉気分のときには是非再訪したい!



Hawkesmoor Guildhall
http://thehawksmoor.com/
10 BASINGHALL STREET, LONDON EC2V 5BQ
Tel: 020 7397 8120
★★★★☆