25 July 2017

All about food! | 食がテーマの日本映画 2 本

ジャパンファウンデーション主催の日本映画上映イベントが、2 週末にわたってありまして。なんと無料、という太っ腹ぶり。張り切って 2 本観て参りましたよ。
上映前に日本の食事情をたっぷり見せつけて「日本へおいでませ」と誘う広告が流れて、すぐにでも帰国したくなりました(笑)


Oyster Factory | 牡蠣工場
Director: SODA Kazuhiro
2015/Japan=USA
★★★★☆

「観察映画」という手法でドキュメンタリー映画を撮る想田和弘監督。なんでも、台本なし、事前打ち合わせなしで撮影したものをナレーションや音楽なしで映画にするそうで。以前、彼が撮った『精神』という映画についての記事を読んで以来、作品を観てみたい!と思っておりました。ら、このイベントで、『牡蠣工場』が上映されたのですよ!嬉しすぎる!

舞台は瀬戸内海の街、牛窓。この牛窓がね~、古い家屋がたくさん残っていて良い雰囲気なのですよ。映画では、この地で操業する牡蠣工場での作業を淡々と映していきます。

やがてこの産業を巡る諸々の事情が明らかになるのですが、それが牛窓に限らず、たとえば、ここイギリスにも当てはまる問題(第一次産業の人手不足とそれに伴う外国人労働者の受け入れなど)をはらんでいたりするのです。鑑賞中に、監督はこういった問題について事前にリサーチしたんだろうな、と思っていたのですが、監督のインタビューを読むと、まったくそんなことはなくて、そもそも牡蠣工場を撮る、というのも当初の予定にはなかったそうで。

「観察映画」というのは、監督が観察して撮る、ということだと思っていたのですが、観客が観察する、という側面もあるのですね~。2 時間以上にわたって目を皿のようにしてこの映画を観た体験は、映画鑑賞というよりは観察、でありました。

他の観察映画も是非観てみたい!


There is No Lid on the Sea | 海のふた
Director: TOYOSHIMA Keisuke
Writers: KUROSAWA Hisako, YOSHIMOTO Banana (novel)
Stars:KIKUCHI Akiko, MINE AZUSA, KOBAYASHI Yuukichi
2015/Japan
★★☆☆☆

吉本ばななの小説『海のふた』の映画化。この小説は原マスミの同名の歌にインスパイアされているそうな。

大学進学を機に東京で暮らしていたまりは、故郷の西伊豆に戻って小さなカキ氷屋さんを開きます。同じ頃、母親が友人の娘はじめちゃんを預かることに。なにやら、このはじめちゃん、色々と事情を抱えているようなのですが…。

原作を読んでいないので、あれですが、共感できない登場人物たちの優しさごっこ的なものが繰り広げられていて、あまりピンと来なかったですねぇ。
特に主人公のまりは、夜逃げしようとする元カレに、まったく事情を知らないくせに、「逃げんなよ!」などと言って切れちゃったりして。観ていてイラッとしました。

でも、人気カキ氷店監修のカキ氷はとっても美味しそうで。特に、サトウキビから作る糖蜜をかけたやつ、食べてみたい!我が地元の行列のできるカキ氷店「赤鰐」を思い出しました。

16 July 2017

A 5,000 km journey in Namibia 5 | ナミビア 5,000 キロのたび 5

リューデリッツ 3 日目。
この日は朝からボート・ツアーでペンギンたちの住むハリファックス島へ。
風を切って進むボートの上はめちゃくちゃ寒い!のですが、毛布やコートを貸してくれ、途中でホット・チョコレートが振る舞われ、と、至れり尽くせりでありました。


途中、アザラシの住む島や


ウミウの住む島を通過。

お食事中のところ我々のボートに遭遇して逃げ惑うウミウ。

イルカがボートに並走!なんてこともありました。


そうこうしてるうちに、ハリファックス島が見えてきましたよ~。この島は「グアノ」という海鳥の糞などが堆積して化石化した良い肥料になるものが採れる、というので 20 世紀初頭、ドイツやイギリスが覇権を争ったりしたのだとか。当時の施設が島に残っています。
このグアノを採りまくったせいで、ペンギンの数が激減。今ではペンギン保護のためにリューデリッツの近海では漁業が禁じられているそうな。この前日に街の魚屋の商品が冷凍の魚ばかりで、「海辺なのに何故?!」と激しく疑問だったのですが、そういう訳だったのですね~。


島の北側に回るとペンギンのコロニーが! 


丁度お食事の時間らしく、次々に海に向かっておりました。
よちよち歩く姿は可愛いのだけど、意外に眼光鋭い(笑)


島には上陸できないのですが、ボートのこーんな近くで泳ぐ姿を見ることができました! 


ボート・ツアーを満喫したワタクシ達、港近くの Garden Cafe というカフェでお昼を頂くことに。


このカフェがね~、よく手入れされた庭にテーブルが点在していて、居心地満点。



写真右上のパッションフルーツのチーズケーキが出色でありました。ナミビアはドイツの植民地だっただけに、ドイツ風のケーキが美味しかったです。コーヒーは、なんとネスプレッソ。

カメものんびり寛いでおりましたよ。

このカフェ、大いに気に入って滞在中に再訪したのでした。

12 July 2017

In This Corner of The World | この世界の片隅に

Director: KATABUCHI Sunao
Writers: KATABUCHI Sunao, KONO Fumiyo (manga)
Stars: Non, HOSOYA Yoshimasa, OMI Minori, INABA Natsuki, USHIYAMA Shigeru, SHINTANI Mayumi
2016/Japan
★★★★☆

こうの史代原作の『この世界の片隅に』。映画化のニュースを見た時から、観たいよ~と思っていたところ、なーんと英国で一般公開されました!早速、喜び勇んで観に行ってきましたよ。

いや~、原作に忠実なのだけど、アニメーションにしかできないことも盛り込まれていて、こう来ましたか、と。そして、主人公すずの声を演じたのん!イメージにぴったり!1 つだけ難を言えば、編集のリズムが若干ぎこちなくて、慣れるのに少し時間がかかりました。まぁ、これはワタクシの主観だし、何かの意図があって、ああいうふうだったのかな、とも思いますが。

というわけで、以下かなり内容に触れますので、これからご覧になる方はそっとウィンドウを閉じてくださいませ…。
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
さて。主人公のすずは自他ともに認めるボンヤリさんで、絵を描くことが大好き。映画はそんな彼女が広島市で過ごした子供時代、 そして18歳で周作と結婚して移り住んだ呉市での生活を描いています。結婚の数年前に戦争が始まっていて、だけど、それはあくまでも遠い出来事でしかなくて、すずは家族と一緒に日常生活を送るわけです。だけど、だんだんモノが手に入らなくなって、毎日の食事にも事欠くようになっていって…この真綿で締めるようにじわじわと戦争の影響が来る感じ、中島京子の小説『小さいおうち』を思わせます。

やがて軍港だった呉は、連日連夜空襲を受けるように。この空襲のシーン、これまで見たどの戦争映画よりも恐ろしかったです。すずたちの暮らしぶりや街の様子がすごく丁寧に描かれていて、あたかも自分もその一部になったかのようだったからでしょうか。配給を受け取りに通った道、野草を摘んだ畦道、そこに容赦なく降り注ぐ爆弾の雨…(涙)

そして、すずは絵を描くための右手を失い、可愛がっていた姪の晴美を亡くしてしまいます。流されるようにぼーっと生きてきた彼女が、否応なしに自分の存在価値について考えざるを得なくなって。そして迎えた終戦で、怒りとやるせなさが爆発するのです。

すずも周りの人も政治や世の中の動きにさほど関心がなくて、その時々を懸命に生きている人たちで。そうやって暮らしていけたらいいのだけど、そんな訳にもいかんのじゃないか、ということを強く思いました。気が付いたら戦争が始まってて二進も三進もいかなくなってた、なんてのはイカんのじゃないか、と。ちゃんと見張ってないと、と。

ところで、この映画、「戦争もの」であると同時に「恋愛もの」としても秀逸でありました。当時の恋愛観が今と違い過ぎて「え?」という部分もありますが、お互いをほとんど知らないまま結婚したすずと周作が夫婦になっていく過程がね~、いいんですよ。お気に入りは、空襲を避けるためにとっさに身を伏せた用水路で、弾丸がバリバリいう中 2 人が言い争うシーン。 今かーい、っていう(笑)

あと、コトリンゴがほんわかと切なく歌う主題歌が良かった!只今脳内でヘビロテ中。